私の場合、発達障害を抱えており、その中の自閉症スペクトラム障害(ASD)に該当します。
そして、それだけでは説明できない息苦しさを抱えており、調べてみたところ、恐らくHSPにも該当しているのではないかと推測できました。
HSPというのは、「非常に感受性が強く、敏感な気質を持った人」のことであり、最近注目されている概念です。
これは発達障害と同様、生まれつきの特徴であり、次のような特性があります。
1.深く情報を処理する
場の空気や人の感情などを深く読み取る能力に長けている反面、情報過多の状態に陥ってしまい、疲れてしまう。
2.過剰な刺激を受けやすい
外部からの刺激を受けやすいため、人込み、物音、光、食べ物の味、臭いなどさまざまな影響を受けやすく、場合によっては普通の人が反応しないような電磁波などの影響を受けることすらある。
3.共感しやすい
親や自分の周りにいる人たちの感情を読み取り、自分をそれに合わせる傾向がある。また、小説やドラマなどのような媒体に深く共感し、感情を揺さぶられることもある。
4.心の境界線が薄い、もろい
自分自身を形成しているバリアが弱く、容易に相手の影響を受けてしまう。人の気持ちを感じ取り、深く共感できる反面、相手に過剰に同調してしまったり、気分に引きずられて自分自身の本音が分からなくなってしまうことがある。
5.疲れやすい
1でも述べたように、刺激に敏感であるため疲れやすい傾向がある。これは楽しいと感じていることに対しても同様である。また、ネガティブな感情にさらされることで、一気に疲弊することもある。
6.自己否定が強い
良心的で優しく、相手のことを優先する傾向がある。その反面ちょっとしたことで「自分が悪いのではないか」と自分を責めてしまう傾向がある。
発達障害、特に自閉症スペクトラム障害の人とは正反対のように見えるかもしれませんが、いくつかの特徴はむしろ共存し、より強く出る傾向があります。
特に2番の項目は、自閉症スペクトラム障害を有する人の「こだわり」の原因がこれであるという可能性も、かなり存在するのではないかというのが個人的な経験から考えられる意見です。
実際、私は変なにおいなどに敏感でしたし、服のタグが付いていると気持ち悪くて仕方がありませんでした。
また、必死に両親など身近にいる人の気持ちを推し量ろうとして、発達障害の特性からうまくいかず、結果として自己否定がかなり強い人間であるという自覚があります。
そして、どこかへ外出した後はゆっくり休む時間を取らないと、次の日に強く影響することもまた、該当する項目です。
そして、意外かもしれませんが「空腹に弱い」というのもまた、HSPの特徴の一つです。
空腹といういつもとは違う状態に対して敏感に反応し、強いストレスを受けることから「おなかが空くとイライラする」ということになると考えれば、納得できると思います。
さらに「たくさんのことを短時間にしなければならないと、混乱してしまう」というのもまた、自閉症スペクトラム障害にもよく見られる現象であり、それらを自分に当てはめると、両方の特性を有しているとしか言いようがないのが私の結論です。
二つの特性がかみ合ってしまい、結果として普通の人とは大きく異なる性質を有しているというのが、私の状況です。
ただし、いい面もあったりします。
繊細であるということは、人が見逃しがちな細かいミスなどに気づきやすいということにつながりますし、物事を深く探求し、多角的な視点でとらえることができるという部分は、学習する上でかなり助かりました。
さらに自閉症スペクトラム障害の特性が加わるため、より細かい部分までチェックすることができますし、興味を持ったことは資格を取るまで徹底的に追及するという性質もまた、プラスに働いていると思います。
ちなみにHSPは、動物にも見られるというのが通説です。
そういう動物は危険を察知する能力が高く、結果として群れ全体の生存率の向上に貢献しているとのことです。
人間の場合、生命の危険にさらされることが少ない(少なくとも日本においては)ことから、デメリットの方が強く見られがちなのではないかというのが、本と自分自身の経験則からの結論です。
HSPも発達障害も、脳の構造的なものであり、ある程度教育やフォローなどで緩和することはできても、人としての本質までは変えることができないものです。
これからもこの二つの特性とは一生付き合っていく必要があるため、しっかり勉強し、自己理解に努めておこうと思いました。
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